階段の周縁の風景

らせん階段を、上下の空間および二世帯間をつなぐ大きな家具として考える。

その踏み面は従来の階段より外側に膨らんでいたり、踊り場のように面積の大きい部分がある。
それは階段の寸法としては少し余分であるが、階段の使い道を拡張するゆとりをつくり出す。

らせんのインコースは従来通りの階段で、アウトコース、膨らんだ端っこの部分は家具のように扱われる。
あるところでは椅子として、あるところではテーブルとして、またあるところでは棚として、その部分部分の高さに応じて、住人の工夫によって様々に使いこなされる。

一本の大きな樹に寄り添って暮らすように、らせん階段の周縁に家族は寄り付き、
にぎやかな生活の風景が、らせん状に展開されてゆく。